東京大学名誉教授であられる月尾嘉男先生が大使館にいらして下さいました。月尾先生は工学博士であられるのですが、偏りがちなアカデミック分野にとどまる事なく、慈愛に満ちた心眼で自然や人々を見据えている希有な学者さんであります。都市から最果ての地までみずから飛び込み、また感じる事を至上とする体験主義の王道を歩まれている方でもあります。未来を鋭く見据えるその洞察力と行動力は高い評価を受け、早くからさまざまな分野に貢献されてきました。多領域を自由に往来する思考回路をテコに、多くの著書を表されていらっしゃいますので、機会があったら是非読んでみていただきたいと思います。月尾先生が監修されるBS-TBSの『地球千年紀行』というドキュメンタリー番組がシリーズ化しています。ミクロネシア連邦にも興味を持って下さりとても嬉しくまた感謝致しております。世紀にわたり列強支配にさらされながら、変化して来た文化、そして守られてきた習慣、変化めまぐるしい自然、そして経済の問題点他、人々や美しい自然を通して、感じて来ていただければありがたいと思います。のんびりゆったりに見える島のくらしとはうらはら、世界情勢の変化に伴い、ミクロネシア連邦も急変しています。人の幸福とは何でしょうか。人口わずか12万人、経済規模も小さな太平洋のこの場所から、こころを込めてメッセージを発したいと感じているこのごろです。
カヤックの旅人、月尾先生の世界です 月尾嘉雄の洞窟